看護師の平均年収については以前ご紹介させていただきましたので、過去のブログをご参照ください。
こちらのブログを書かせていいただき、看護師の平均年収については、全産業と比較すると高いことから決して給料自体は低くないということがわかります。
しかし、個人的には決して看護師の給料は高くないではないと感じています。
何故そのように感じているのかというと、夜勤をしていることで、現在の給料をなんとか維持できているからです。
夜勤をすることで得られる「夜勤手当」がなければ、その平均年収については、全産業の平均年収を下回ってしまう可能性が高いと思います。
看護師は24時間患者さんのいのちを見守る仕事の性質上、基本的に夜勤は避けて通れないケースが多いです。
2交代もしくは3交代で働いた経験のある看護師の皆様ならおわかりかと思いますが、交代制の勤務は身体的・精神的な負担が強いことから生活のリズムも崩れやすく、プライベートへの影響も与えます。
また、夜勤中にはなにが起こるかわかりません。
緊急入院・急変・夜間せん妄など、夜勤では看護師の人数が少ない中で病棟・施設を任されることから安心して過ごせる時間は少ないです。
また仮眠の時間だけではなく、食事の時間も十分にとれないことも多いと思います。
私は2交代で仕事をしていますが、時にはスキマの時間にご飯をかき込んで仕事をします。
カップラーメンを食べようとすれば、麺が汁をほとんど吸ってしまっていることもしばしば…
仮眠時間も2時間程度の時間を一応設けていますが、やはり状況によってはノンストップ…なんていう方も多いのではないでしょうか。
仮眠がとれなければその分の手当をもらいたい所ですが、私の病院では請求できません。皆さんの施設ではどうでしょうか?
また、夜勤中の仕事を行えば、すぐに帰宅できるとは限りません。
夜勤中、バタバタと忙しい中、様々な処置を行うことに精一杯な状況であれば、夜勤の仕事内で看護記録を記載する暇もないと思います。
仕事が終わってから、残されている看護記録やその他の記録・書類整理をすることもあるため、実際には夜勤も定時で仕事が終わらないことも多いのではないでしょうか?
それ以外にも各施設のご事情により大変なことは他にもたくさんあると思いますが、それら全てを遂行することでもらえるのが「夜勤手当」です。
負担の多い仕事をこなしており、その結果として現在の年収に結びついている訳です。
いのちに関わるとても責任重大な仕事をしていることから、もう少し給与水準が高くなっていてもおかしくはないのでは?と考え、私としては「割に合わない」と思っています。
先程もお伝えしましたが、単純に計算してもらえればわかりますが、夜勤手当が無ければ給料としてはとても低くなることがわかります。
そのため、今回は看護師として年収をアップするためには、どのような方法が考えられるかについて解説させていただきます!
可能な限り効果的に年収を上げられる方法について、順を追ってお伝えしていきますので、長文ですがおつきあい下さい。
まずは、夜勤手当を工夫することによって、給料を上げることが可能なのかについてご説明します。
平均的な夜勤手当についてみていきましょう。
目次
- 1 平均的な夜勤手当の金額について(1回にもらえる夜勤手当)
- 2 2交代制・3交代制夜勤の手当金額を比較する
- 3 夜勤専従者を取り扱っている施設の割合について
- 4 夜勤専従勤務ルールについて
- 5 夜勤手当で年収をアップする方法に関するまとめ
- 6 基本給をあげることが年収アップに繋がる大切な理由
- 7 様々な看護師の基本給形態(3つに分けて説明)
- 8 勤続10年看護師の平均基本給与額(開設者別給与一覧)
- 9 基本給で年収をアップする方法に関するまとめ
- 10 資格取得によって得られる手当は?(認定看護師・専門看護師)
- 11 専門看護師・認定看護師が、昇給・昇格など、基本給に影響を与える処遇と結びついているか?
- 12 管理職手当で年収は上がる?どの程度の基本給がもらえるか
- 13 管理職手当によって年収は上がる?についてのまとめ
- 14 残業手当で年収は上がるか?平均残業時間の比較と、残務以外でも残業を申請できるか
- 15 残業手当で年収は上がるか?についてのまとめ
平均的な夜勤手当の金額について(1回にもらえる夜勤手当)
平均夜勤手当 | |
3交代[準夜1回における手当] | 4,154円 |
3交代[深夜1回における手当] | 5,122円 |
2交代[1回における手当] | 11,286円 |
こちらを確認していただくと、夜勤の回数だけではなく、2交代制なのか3交代制なのかによっても夜勤手当の金額が大きく異なることがわかります。
これだけの金額をもらえるわけですから、可能な限り稼ごう!と思っている方であれば、夜勤をすることで得られる手当は欠かせないものとなります。
そのため、夜勤手当でしっかり稼ぐことを考えるのであれば、単純に夜勤回数を増やせば良いことは方法の一つです。
ただ、施設によっては夜勤回数についての基準が定められていることもあるため、夜勤回数はある程度の制限が存在する可能性もあります。
平均的な夜勤回数については以下となっております
日本看護協会:2交代制・3交代制における平均的な夜勤回数について
●3交代制勤務の病院
7回未満:12.8%
7~8回未満:37.9%
8回:9.2%
9~10回未満:8.2%
10回以上:1.9%
無回答:5.6%
●2交代制勤務の場合
3回未満:1.4%
3~4回未満:18.1%
4回:14.6%
4回超~5回未満:36.9%
5~6回未満:13.2%
6回以上:7.1%
無回答:8.7%
引用:release01.pdf (nurse.or.jp)[p11] 出典:日本看護協会「夜勤・交代制勤務ガイドラインの普及等実態調査 ガイドラインに沿った勤務体制見直し進む 三交代勤務間隔、二交代拘束時間も改善」(2024年1月9日)
このことから夜勤の回数について
3交代制であれば7~8回未満が最も多い夜勤回数
2交代制では4回超~5回未満が最も多い夜勤回数となっています。
次に、これらの平均的な夜勤回数の手当金額・最大とされる夜勤回数の手当金額を比較します。
2交代制・3交代制夜勤の手当金額を比較する
例えば…(平均の夜勤回数で考える夜勤手当の合計)
3交代制で勤務しており、8回程度/月の夜勤回数あった場合
→37,104円が、月にもらえる夜勤手当となります
もし、最大の夜勤10回以上であった場合
→46,380円が、月にもらえる夜勤手当となります
夜勤の平均回数と最大回数による差額は9276円です
2交代制で勤務をしており、4回/月程度の夜勤回数であった場合
→45,144円が、月にもらえる夜勤手当となります
もし、最大の夜勤6回以上であった場合
→67,716円が、月にもらえる夜勤手当となります
夜勤の平均回数と最大回数による差額は22,572円です。
また、3交代制夜勤の最大回数の46,380円・2交代制夜勤の最大回数の67,716円における差額は21,336円となります
これらの金額を確認していただくと、平均的な夜勤手当は2交代制の方が差額として高いことがわかります。
また、夜勤回数が多ければ多いほど、その差額もさらに開いてくることから、2万円もの差が生じています。
2交代制の方が手当として金額が高い理由には、深夜勤務割増給にあります。
夜勤1回につき○○円、といった夜勤手当のほかにも、22時〜5時の間に仕事をしていた場合には、勤務の時間数に応じて、対象給与額の25%相当の割増賃金を上乗せ支給することが労働基準法で定められているからです。
これらのことから、夜勤でお金を稼ごう!と考えるのであれば
2交代制の方が給料が高い傾向にあることがわかりました。
そのため、単純に考えると2交代制の夜勤専従で、夜勤に集中することによって給料があがるということは考えられます。
※ただし、日勤が無くなることからこれまで得られていた「残業手当」は減る可能性が考えられます。
毎月の残業時間、それによって得られている残業手当と比較して、それでも夜勤専従として働いた方が給料が高いのかについては、各施設の残業時間によるところかと思います。
夜勤専従者を取り扱っている施設の割合について
また、夜勤専従の取り扱いについては様々な規定もあります。
そのため、夜勤専従として働きたいと考えていても、勤務体制として夜勤専従を取り扱っていなければ働くことができません。
夜勤専従ができるのかどうかを知る必要があります。
全国で夜勤専従を取り扱っている施設の割合
全体:38.7%
国:17.9%
都道府県、市町村、地方独立行政法人、公立大学法人:25.6%
公的医療機関:37.9%
社会保険関係団体:58.2%
医療法人・個人:43.6%
学校法人:53.3%
公益社団法人、公益財団法人:41.3%
その他:38.2%
引用:release01.pdf (nurse.or.jp)[p11] 出典:日本看護協会「夜勤・交代制勤務ガイドラインの普及等実態調査 ガイドラインに沿った勤務体制見直し進む 三交代勤務間隔、二交代拘束時間も改善」(2024年1月9日)
このことから、夜勤専従については勤務体制として扱っていない施設も多いことがわかります。
もっとも多い施設でいうと、社会保険関係団体[社会保険病院・厚生年金病院・船員保険病院など]や学校法人の病院ですのでどういった施設で働くかということも大切です。
また、夜勤専従ひとつにおいても、自由に夜勤が何回でもできるわけではありません。
以下の様に、ガイドラインにおいてこのような夜勤専従勤務ルールについての提案がされています。
夜勤専従勤務ルールについて
夜勤専従勤務ルール
〇夜勤専従勤務者の所定労働時間を設定する
夜勤時間数を月 144 時間以内とする、など
〇健康管理体制を整備する
導入前の健診、労働安全衛生法の特定業務従事者健診項目を基本健診項目に追加、産業医の意見を聞く、など
〇相応の報酬を考慮する
手当の支給等(経済的報酬)、所定労働時間の短縮(時間的な優遇)など
〇期限つきとする
期限を定めている例では1カ月~数カ月の例がある。また、予定期限前でも中止の申し出ができることが必要
〇本人の選択による
夜勤に伴う心身の負担と軽減策、処遇などについて十分な説明を受け、納得した上で、労働者本人の希望によって勤務が選択されること
〇夜勤遂行可能な能力・経験をもつとの判断に基づく
夜勤専従勤務者自身が自律して夜勤を行える能力・経験があるか確認する
〇夜勤専従勤務者の負担が過重にならない
新人、准看護師、補助者のみとの組み合わせにならないよう夜勤メンバーの配慮が必要
〇夜勤時間帯の業務整理を行う
引用:yakin_guideline.pdf (nurse.or.jp)[p24] 出典:日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2024年1月9日)
このことから、夜勤専従の中でも施設によってルールが存在する場合があります。
月144時間以内という制限があること・1か月~数か月という期限付きといったように、夜勤回数・期間についての縛りがある可能性があります。
そのため、毎月の給料アップというよりは、短期間で集中して稼ぐことによって、結果的に年収が上がるといった形になるのではないかと思います。
夜勤手当で年収をアップする方法に関するまとめ
夜勤手当で年収をアップする方法のまとめ
◎夜勤勤務体制では、平均的な夜勤手当・平均的な夜勤回数を元に計算すると、3交代制よりも2交代制の方が給料が高くなる
◎短期間の夜勤専従を行うことによって、年収がアップする可能性がある。
※しかし、残業手当が減ることから、残業時間が長く手当を多くもらっている場合には、その差額について確認する必要がある
夜勤を行うことで一番注意しなければならないことは、健康上の問題です。
夜勤を行うことによるデメリットには、疲労回復の低下・ストレス解消機能の低下・睡眠の質の低下・健康障害の恐れなど様々な弊害が生じることが報告されています。
夜勤による給料アップも大事ですが、ご自身の体調を第一にご検討ください。
次は看護師の基本給についてみていきましょう。
給料の中で、基本給に注目することはとても大切です。その理由については2つあります。
基本給をあげることが年収アップに繋がる大切な理由
①ボーナス・退職金の算定に利用される
ボーナス・退職金など、多くの施設では基本給を基準として計算されています。毎年の年収に関わることから給料アップ以外にも、自身が退職した際の金額にも影響を与えます。
②残業手当を算定する為に用いられる
残業手当についても、基本給をもとに計算されたものが手当の金額となるため、給料アップに繋がります。
ちなみに、残業手当の計算方法については
1時間当たりの給与(基本給+諸手当(住宅手当、家族手当、通勤手当を除く)÷所定労働時間 (160時間など))×1.25(1日8時間又は1週40時間を超える場合)×残業時間数
で求めることが可能です。
そのため、基本給が高いことが直接年収が高くなることに繋がる可能性が高いです。
また、基本給ひとつについても様々な形態があります。
様々な看護師の基本給形態(3つに分けて説明)
年功給
勤続年数や学歴・性別などにより給料が決定する制度。
勤続年数・年齢とともに給料が上がっていくことから、勤続していれば昇給が保障される制度。
職能給
看護師をいくつかの等級に分け、等級に応じて給料が決定する制度。
学歴や勤続年数ではなく、成長に応じて給料が上昇する。
「この職能資格の職員には○○円」というように、人の能力評価に対して与えられる給料が決まる。
職務給
仕事の内容、実績そのものを評価して与えられる給料。
「この仕事をしたから○○円」というように、業務の内容に応じて給料が決まる制度。
以上の様に、病院によってその形が異なります。
年功給ではなく職能給・職務給のように、頑張れば頑張るほど給料に反映されるのであれば、看護師としてもモチベーションに繋がりますし、それだけではなく給料アップを目指すことも可能だと思います。
このように、基本給は給料をアップするためのカギとなるため、最も重要視する必要があります。
また、看護師の基本給については、勤務するそれぞれの病院が定めている給与基準に従って決定するものです。そのため、どの病院に勤めても同じ金額ではありません。
病院一つをとっても、様々な病院があります。
国立病院・公立病院・公的医療機関・社会保険関係団体・公益法人・医療法人・個人など、その種類は多岐にわたります。
先程も述べましたが、勤める勤務先によって基本給が異なりますので、転職することで給料がアップする可能性もあります。
では、設置主体別に基本給をみていきましょう!
勤続10年看護師の平均基本給与額(開設者別給与一覧)
勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職)の平均的な基本給与額
国立病院(厚生労働省・国立病院機構・国立大学法人・地域医療機能推進機構)
260,737円
公立病院(都道府県・市町村・地方独立行政法人)
268,189円
公的医療機関(日本赤十字社・済生会・厚生農業協同組合連合会・社会事業協会)
268,037円
社会保険関係団体(健康保険組合、共済組合、国民健康保険組合)
280,950円
公益法人(公益社団法人・公益財団法人)
243,135円
医療法人・個人(医療法人・社会医療法人・個人)
234,613円
その他(私立学校法人・社会福祉法人・医療生協・会社)
250,336円
引用:看護職の給与に関するデータ | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会 (nurse.or.jp)出典:日本看護協会「設置主体別:看護職の給与額(基本給与額、税込給与総額)」
もっとも高い基本給・低い基本給と比較すると、46,337円もの差が生じることから、どのような病院なのかについても把握しておく必要があります。
基本給で年収をアップする方法に関するまとめ
基本給で年収をアップする方法のまとめ
◎残業手当・ボーナス・退職金の額に影響を与えるため年収を上げるためには重要
◎基本給の形態には年功給・職能給・職務給など様々であり、能力に応じた年収アップも期待できる可能性がある
◎設置主体別で基本給の額に差が生じるため、基本給の水準が高い施設に勤めることで給料アップが見込める
次は、資格取得によって得られる手当についてみていきましょう
資格取得によって得られる手当は?(認定看護師・専門看護師)
まずは、資格取得によって昇給するのかについてです。
看護師の中でもっとも身近なものでいえば、認定看護師・専門看護師ですね。
認定看護師とは
〇個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
〇看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
〇看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
専門看護師とは
〇個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
〇看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
〇必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う(調整)
〇個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
〇看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
〇専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
専門的な知識・技術を獲得するために、受験~資格取得まで長期間をかけて学びを深めます。
また、認定看護師・専門看護師となれば、介入することで診療報酬に加算されることから病院の売り上げに貢献することもできます。
では、果たして病院へ貢献している認定看護師・専門看護師は給料がアップするのでしょうか?
専門看護師・認定看護師が、昇給・昇格など、基本給に影響を与える処遇と結びついているか?
専門看護師・認定看護師が、昇給・昇格など、基本給に影響を与える処遇と結びついているか?
専門看護師では87.3%・認定看護師では82.7%の看護師が「基本給はあがらない」という結果。また「基本給が上がる/昇給(給料が上がる)」と回答した看護師について、上がった給与の平均額は、専門看護師で14,471 円、認定看護師で 11,191 円でした。
病院設置主体別にみると
専門看護師では「医療法人」で19.8%の看護師が「基本給が上がる/昇給」という回答であり、「公益法人」では31.3%の看護師が「昇格する」という回答が、ぞれぞれ他の設置主体よりも高い結果でした。
認定看護師では「医療法人」で16.3%・「公益法人」で15.2%・「国」で11.8%の看護師が「基本給が上がる/昇給」する、という回答が他の設置主体よりも高かった結果でした。
引用:看護職の給与の調査・データ | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会 (nurse.or.jp)出典:日本看護協会 2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査報告書(p25)
これらのことから、資格を取得したからといって必ずしもそれによる手当はもらえない可能性が高いことが考えられます。
さらに、専門看護師・認定看護師の資格を取得するためには、資格取得までに受験料・授業料・認定費だけでなく、場合によっては引っ越しや新たな住居での生活など様々な出費がかかってきます。
そのため、多額の出費に見合った、資格取得による手当をもらえない可能性が考えられます。
先程もお伝えしたように、専門看護師・認定看護師になるためにはある程度の研修期間・金額が必要です。
資格を取得することが給料に直接的な繋がらない可能性があることから、年収アップをメインとして目指すのではなく、勉強をしたい!という目的で目指すものではないかと考えます。
しかし、講師として講義を依頼されることがあった場合、数万円の収入は期待できるかもしれませんので、ニーズが無いわけではないかもしれません。
管理職手当で年収は上がる?どの程度の基本給がもらえるか
次に、役職者になることで得られる管理職手当についてです。管理職とは、主に主任看護師・看護師長・看護副部長・看護部長などが当てはまります。
正規職員の看護師について、管理職と中間管理職の平均賃金額
・管理職が給与総月額 49 万 4,933円、基本給月額 37 万 983 円(平均年齢 53.7 歳)
・中間管理職が給与総月額 43 万 1,338 円、基本給月額 32 万 2,786 円(同 46.5 歳)
病院内の各職位で最も高い基本給月額の平均をみると
・看護部長(専任)42 万 7,573 円(56.7 歳)
・看護師長 37 万 949 円(54.0歳)
・主任 32 万 7,143 円(50.1 歳)
・非管理職 32 万 3,298 円(53.0 歳)
職位別の賃金額に回答した 1,174 病院について、各職位で最も高い基本給月額を比較した結果
・病院内で上位職と非管理職に逆転が見られた割合は、「看護部長が非管理職より低い病院」7.2%
・「看護師長が非管理職より低い病院」14.7%
・「主任が非管理職より低い病院」43.4%
引用:看護職の給与の調査・データ | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会 (nurse.or.jp)出典:日本看護協会「2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 年齢による賃金上昇の低さが明らかに 賃金制度の整備に課題」(p12)
という結果であり、管理職や中間管理職など、役職によって基本給があがることがわかります。
しかし、主任が非管理職より基本給が低い病院もあることから、職責に見合った賃金水準になっているかどうかが課題と考えられています。
管理職手当によって年収は上がる?についてのまとめ
管理職手当で年収は上がるかについてのまとめ
◎管理職手当によって基本給がは上がりますが、その分夜勤の回数が減ってしまうことが考えられる
◎給料が上がることがわかりましたが、もし昇格について打診された場合、勤めている施設では昇格することによって現在の給料からどのように変化するのかを把握する必要がある
残業手当で年収は上がるか?平均残業時間の比較と、残務以外でも残業を申請できるか
残業手当をしっかりもらえるかどうかによっても給料に差が生じます。
病院における時間外労働時間の平均について
0時間:18.4%
0時間超~5時間以下:29.9%
5時間超~10時間以下:21.6%
10時間超~20時間以下:18.9%
20時間超~50時間以下 :10.0%
50時間超:1.2%
引用:スライド 1 (mhlw.go.jp)出典:厚生労働省「看護職員需給推計関係資料」(p22)
残業の内容について
記録・報告書作成や書類の整理:82.0%
緊急対応:46.8%
会議・勉強会・研修会等への参加:44.3%
勤務開始前の準備:37.9%
手術や外来対応等の延長:14.6%
他職種・他機関との連絡調整:14.0%
その他:16.0%
引用:スライド 1 (mhlw.go.jp)出典:厚生労働省「看護職員需給推計関係資料」(p22)
これらのことから、時間外労働時間については0時間超~5時間以下が最も多い傾向にあり、時間外労働の内容については記録・報告書作成や書類の整理が最も多いことがわかります。
残業の有無によっても、給料については大きく変動することから、残業手当を正しく申請することができる施設であるのかどうかで給料に大きな変化が生じてきます。
例えば、上記の残業内容にある一覧の内、現在私の勤めている病院では勉強会・病棟会議などへの参加には残業手当を申請することができません。
様々な環境の施設があることから、残業手当が申請できる・できない内容は異なることが考えられます。
また、看護師としての経験年数によっては「申請しにくい」という方もいらっしゃると思います。
先輩の看護師が申請していないのに、私が申請するわけにはいかない…
経験年数の少ない私が残業しているのは、先輩看護師より要領が悪いからだ…
など、実際には残業をしているのにも関わらず、申請できずにサービス残業をしている方も多いのではないでしょうか。
勤めている環境によって年収アップに大きく影響することがわかります。
残業手当で年収は上がるか?についてのまとめ
残業手当で年収は上がるかについてのまとめ
◎平均残業時間は0時間超~5時間以下であるが、それ以外にサービス残業も含まれることも大いに考えられる
◎正確に残業を申請できる環境であることが大切
◎残業の内容について、どこまでの内容に対して申請できるのか知っておくことが必要
他にも危険手当・オンコール手当・待機手当・特殊業務手当・副業をするなど、様々な考え方がありますが、ここでは皆さんが当てはまりそうな項目に対して、年収を上げられるのかお伝えしました。
是非参考にしながら、今後の転職活動に役立てていただけたらと思います。
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