転職して給料が下がったどうしよう…
そう考えるのは当然だと思います。
転職をしたことによって、デメリットが生じることは誰も望んでいないからです。
特にその内の給料については、自身の私生活に関わってくることから、最も重要だと考える方も多いと思います。
新たな環境に代わっても、最低でも現状の給料を維持、もしくは給料がアップすれば、それにこしたことはないです。
実際に転職をすることによって年収は下がってしまうのか、という点についてですが、転職を繰り返した私の経験上、収入が減るということはありませんでした。
勤めている職場と求人情報の給料を比較して決められるため給料アップ!
といった状況でした。
今回は、皆さんの現在の収入がきちんと平均収入・もしくはそれ以上もらえているのか平均値を出すことにより明らかにしたいと思います。
目次
厚生労働省が開示している看護師の平均月収について
看護師の年齢階級別平均賃金(役職者を含む)
出典:看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)(月収換算)(厚生労働省)(図表1-2-25 看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)(月収換算)|令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 (mhlw.go.jp))(2023年12月8日利用)
こちらは役職者を含めた看護師の平均賃金と、全産業の平均賃金を比較した表です。
※手取りではなく、月給です。
確認していただくと、看護師の給料は全産業の平均と比較すると、初任給からは高いことがわかりますが、徐々に追い抜かれてしまっていることがわかります。
入職後から給与が高い理由としては、夜勤を行うことから手当を受けられるため、全産業と比較すると高い水準であることが考えられます。
しかし、結果的には看護師の給与が追い抜かれてしまいます。
ここには、昇給の低さや、全産業と比較すると役職者手当が少ないことにあります。
もちろん基本給は年次毎にあがります。
しかし、各施設によって異なりますが、平均的な看護師の昇給額は4,000~5,000円/年程度です。
この昇給率の低さ・役職者手当の低さ等が、全産業と比較すると平均賃金が低くなることの要因であることが考えられます。
また…
役職者になると残業をしても手当がもらえないから、役職者になる前の方が給料が良かった
という話しも耳にすることがあります。
そのため、看護師の場合…
役職者≠給料アップ
という可能性もあります。
また、働き方によっては夜勤をしない場合を想定すると、更に給料に差が生じてくることも明白です。
●役職者を含む年齢別看護師平均年収
・20~24歳:390万円
・25~29歳:452.4万円
・30~34歳:468万円
・35~39歳:481.2万円
・40~44歳:504万円
・45~49歳:534万円
・50~54歳:552万円
・55~59歳:562.8万円
・60~64歳:483.6万円
・65~69歳:418.8万円
・70歳:394.8万円
こちらの看護師の平均年収を見ると、新人として働き始めた看護師と、ベテラン看護師との年収の差額は…
172.8万円です。
皆さんはこの年収に納得できるでしょうか?
看護師の平均賃金・全産業の平均賃金(役職者を除く)
出典:図表1-2-24 看護師の平均賃金(役職者除く)(月収換算)(厚生労働省)(図表1-2-24 看護師の平均賃金(役職者除く)(月収換算)|令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 (mhlw.go.jp))(2023年12月8日利用)
こちらは、役職者以外の看護師全世代から計算した平均の月収です。
このことから、役職者で無い場合の看護師・全産業で比較すると、看護師の方が給料が高いことがわかります。
フルで働くことによって、残業代・夜勤手当をしっかりもらえることを考えれば、基本的な給与水準は高めであることがわかります。
ただ、毎年の収入の推移をみてわかるように、H24年からR3年にかけて看護師の給与は昔からあまり変わらないことがわかります。
そのため、看護師の給料自体の動向は今も昔も変わりません。
また、これら厚生労働省に開示されている2つの表の月収は、年収(ボーナスも含む)を12カ月で割った数字なので、一概に毎月の月収をあらわしている訳ではありません。
そのため、手取りとなればここから更に健康保険・厚生年金・所得税・住民税などが差し引かれた給料が手取りになりますので、各々の環境によって異なります。
皆さんも、一度自身の年収と比較して、12で割った数字が、この平均月収に当てはまるのか計算してみると、平均月収に当てはまるのかどうかがわかると思います。
役職者を除くと、給料があまり変わらないのはとても辛いですね。
これから訪れる2025年問題(団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会に突入)に看護師の需要はとても高いのに、給与が少なく感じるのは私だけだけでしょうか…
しかし、そうはいっても現状として変わっていないことに声をあげても仕方がありませんね…
給料の平均は変わらないとしても、病院によって待遇の違いがある職場があります。
次に、病院の開設者別における給料の違いについてお伝えしていきます。
病院の開設者別で看護師の平均収入の違いをみる!
病院と一言にまとめられますが、その開設者別で様々です。
・公益社団法人
・国立病院
・公立病院
・赤十字病院
・厚生農業労働組合
・済生会
・社会事業協会
・社会保険官営団体
など、たくさんあります。
また、それぞれによって平均収入は異なることもデータとして明らかになっているため、病院選びによって給料は大きく変わります!
先程お伝えしたように、看護師のここ10年程度の平均月収についてはあまり大きな変化はありません。
しかし、平均月収であることから、その中で低い月収・高い月収が存在することも明らかです。
病院によって昇給率も異なり、ボーナスについても差が生じてくると思います。
こちらのブログに、開設者別の基本給与額を載せていますのでご参照ください。
もし転職をしたいと考えて転職サイトを利用する際には、昇給率やボーナスについても目を光らせておくことをおすすめします。
また、年齢によって昇給しなくなる(50歳以上は昇給しないなど)職場もありますので、そういった点にも注意が必要かもしれません。
病院の規模に応じた看護師の平均年収の実際について
続いてはは、看護師の平均年収についてお伝えいたします。
平均月収が明らかだから、そこから年収だせば平均じゃないの?
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
厚生労働省の開示している平均給与は看護師全体のものであるため、もう少し深堀りしていきたいと思います。
病院の規模によっても、平均年収は異なります。
どの程度の病院の規模の病院が平均年収が高いのか、データをもとに解説します。
従業員数別、看護師の平均年収
病院の従業員数で年収では異なることがわかっています。
10人以上の企業の看護師平均年収は
488.46万円(平均ボーナス80.82万円)
10~99人の企業の看護師平均年収は
446.79万円(平均ボーナス62.67万円)
100~999人の企業の看護師平均年収は
466万円(平均ボーナスは74.2万円)
1000人以上の企業の看護師平均年収は
532.25万円(平均ボーナスは95.93万円)
出典:厚生労働省https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040029183&fileKind=4(2023年12月8日利用)
こちらのデータによると、年収の最も低い値から、高い値の差は85.46万円も差があることがわかります。
看護師として大きな一括りとしても、ここまで年収にも差が生じるとは驚きです。
また、規模の大きい病院に関しては収入が高いことがわかっていますが、意外と小規模の企業の年収に関しても年収が高いこともわかりました。
ここでわかったことは、大手の企業における看護師の収入は高いですが、それだけではなく、企業の規模だけが年収の差が生じるわけではないということです。
まとめ
これらを踏まえると…
・動向としてここ10年の看護師の平均収入自体は大きな変化していない
・病院の開設者別で収入は異なる
・規模の大きい企業においては、看護師の年収が高いが、小規模においても収入は比較的高く見逃せない
・同じ看護師という一括りだが、年収の差は85.46万円あった
・ボーナスの収入によっても年収は大きく左右される
ことがわかりました。
皆さんの勤めている企業はいかがでしょうか。平均年収に合った企業でしょうか?
もし、収入に疑問を持っており、今回のデータと比較して
なんか私の病院の給料は安い気がする…
と感じており、かつ現在の仕事に対するストレス・やりがいを感じないなど、メリットを見出せないのであれば、勤めている職場について、今一度考え直す良い機会かもしれません。ご参考までに。
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