ここ数年、その人数は増加してきていますが、名称については「認定看護師」「専門看護師」のように特別決まっている訳ではありません。
そのため、施設によっては「特定看護師」であったり、「特定行為看護師」であったりするため、呼び方は様々です。
まず、そもそも何故このような資格制度が始まったのかについてご説明させていただきます。
正式名称は「特定行為に係る看護師の研修制度」です。
2015年に厚生労働省から日本看護協会に研修機関として指定を受け、同年から看護研修学校で開始されました。
では、何故厚生労働省は「特定行為に係る看護師の研修制度」が必要と考えたのか。それは2025年問題にあります。
目次
これから深刻になってきている2025年問題とはいったい何なのか…?
「2025年問題」
2025年には、団塊の世代が75歳以上となります。
この時点で、国民の3人に1人が65歳以上、さらに5人に1人ほどが75歳以上になります。
特に日本では、諸国外に例をみないスピードで高齢化が進行しており、今後もこの高齢者の割合は増加します。
2055年には2.5人に1人が65歳以上、4人に1人ほどが75歳以上になるとされています。
増加し続けることから、高齢者が増えれば、必然的に医療や介護のニーズは高まるため、医療機関・介護施設・在宅医療など、様々な場面で看護師が必要となってきます。
現在、就業している看護師等は日本で約160万人です。
2025年には約196~206万人の看護師等が必要とされており、順調に増えたとしても約13万人程度の看護師が不足することが予測されています。
資格を保有しながらも未就業の看護師等は、約71万人いると推計されており、潜在看護師等の復職支援の強化が課題となっている状況です。
これらのことから、看護師不足が懸念されている状況であることがわかります。
しかし、これに関しては医師も同様です。
2024年には医師が約1万人不足すると推計されているため、医師不足に関しても深刻な状況に陥ることが考えられています。
特定行為研修を受けることで医師の思考プロセスの理解・身体的アセスメント能力の向上・多職種協働の推進に役立つこというメリットはあります。
しかし、一番の問題は高齢者の増加・医師不足・在宅医療のニーズが高まってきていることにあります。
出典:広報誌「厚生労働」|厚生労働省 引用:厚生労働省 特集看護師等免許保持者の届出制度とナースセンター活用術もう一度働きたい看護師等を支援します
次に、目的についてみていきましょう。
特定行為に係る看護師の研修制度の目的
特定行為に係る看護師の研修制度の目的
◎2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師 又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師を養成し、確保していく必要がある。
◎このため、「地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」において、その行為を特定し、手順書によりそれを実施する場合の研修制度を創設し、その内容を標準化することにより、今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していく。
引用:Microsoft PowerPoint – 20170609_【看護課】公開プロセス資料 (mhlw.go.jp)出典:厚生労働省 看護師の特定行為に係る 研修機関支援事業
これらのことから、看護師に求められることが更に増えてくることがわかります。
特定行為に係る看護師の研修制度が開始された経緯に関するまとめ
特定行為に係る看護師の研修制度が開始された経緯に関するまとめ
◎厚生労働省からの指定があり開始された制度
◎2025年問題以降、高齢者人口の増加・深刻な医師不足・在宅医療のニーズが高まることにより、「特定行為に係る看護師の研修制度」が必要となった
◎看護師不足が懸念されており、その上でこれまでの看護師の役割だけではなく、より専門的な知識・技術が求められている。
→看護師の業務の負担が今後さらに増えてくることが考えられます…
特定行為ってどんな内容がある?
現在、特定行為研修修了者は6875名です(令和5年3月)
以下が特定行為の全内容です(21区分・38行為)
特定行為区分の名称(21区分) | 特定行為(38行為) |
1.呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの 位置の調整 |
2.呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
3.呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ・気管カニューレの交換 |
4.循環器関連 | ・一時的ペースメーカの操作及び管理 ・一時的ペースメーカリードの抜去 ・経皮的心肺補助装置の操作及び管理 ・大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 |
5.心嚢ドレーン管理関連 | ・心嚢ドレーンの抜去 |
6.胸腔ドレーン管理関連 | ・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及び設定の変更 ・胸腔ドレーンの抜去 |
7.腹腔ドレーン管理関連 | ・腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針 の抜針を含む) |
8.ろう孔管理関連 | ・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 ・膀胱ろうカテーテルの交換 |
9.栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理)関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
10.栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用 カテーテル管理)関連 | ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
11.創傷管理関連 | ・褥(じょく)瘡(そう)又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
12.創部ドレーン管理関連 | ・創部ドレーンの抜去 |
13.動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
14.透析管理関連 | ・急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理 |
15.栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
16.感染に係る薬剤投与関連 | ・感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
17.血糖コントロールに係る薬剤投与関連 | ・インスリンの投与量の調整 |
18.術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
19.循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
20.精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | ・抗けいれん剤の臨時の投与 ・抗精神病薬の臨時の投与 ・抗不安薬の臨時の投与 |
21.皮膚損傷に係る薬剤投与関連 | ・抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整 |
など、様々な内容があります。
なお、今後認定看護師になる看護師は「特定行為に係る看護師の研修制度」が必須となります。
私の場合、認定看護師の資格取得をするために入学した認定看護師教育機関が、特定行為の研修を受講することが必須である「B課程」でした。
必須項目であったことから、結果的に研修を受けることとなりました。
現在の認定看護師の制度「A課程」と「B課程」について
現在、認定看護師にはA課程とB課程の2種類の制度があります。
認定看護師(A課程)とは、これまで通りの認定看護師としての制度です。
認定看護師(B課程)とは、2021年から開始された、特定行為に係る看護師の研修制度を受けた認定看護師です。
認定看護師(A課程)の教育制度については、2029年度をもって終了となり、その後認定看護師の資格を取得する看護師は、特定行為に係る研修を受けなければいけません。
※A課程の制度はなくなりますが、既に認定看護師(A課程)の資格を取得している看護師の更新審査は永続的に続きます。
また、現在A課程の認定看護師がB課程へ移行するためには、どの特定行為区分でも良いので受講することで移行できます。
特定行為に係る看護師の研修制度の共通科目・区分科目って何?
特定行為研修は、「共通科目」+「区分科目」に分かれており、それぞれの課題をクリアしなければいけません。
共通科目とは
看護師が手順書により特定行為を行う場合に必要とされる実践的な理解力、思考力並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、全ての特定行為区分に共通するものの向上を図るための研修
区分科目とは
看護師が手順書により特定行為を行う場合に必要とされる実践的な理解力、思考力並びに高度かつ専門的な知識及び技能であって、特定行為区分ごとに異なるものの向上を図るための研修
私は1区分のみの研修でしたが、特定の領域において実践頻度が高い特定行為をまとめた、領域別パッケージ研修というものもあります。
領域別パッケージ研修とは?パッケージ別特定行為一覧
領域別パッケージ研修とは
看護師が現場で活用するために役立つと考えられる内容の区分や特定行為をまとめて研修する制度
各領域別パッケージ研修と、その内容については以下の通りです。
在宅・慢性期領域パッケージ
特定行為区分の名称 | 特定行為 |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ・気管カニューレの交換 |
ろう孔管理関連 | ・胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 ・膀胱ろうカテーテルの交換 |
創傷管理関連 | ・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
外科術後病棟管理領域パッケージ
特定行為区分 | 特定行為 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 | ・気管カニューレの交換 |
胸腔ドレーン管理関連 | ・低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 ・胸腔ドレーンの抜去 |
腹腔ドレーン管理関連 | ・腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿(セン)刺針の抜針を含む。) |
栄養に係るカテーテル管理 (中心静脈カテーテル管理)関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
栄養に係るカテーテル管理 (末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 | ・末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
創部ドレーン管理関連 | ・創部ドレーンの抜去 |
動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
術中麻酔管理領域パッケージ
特定行為区分 | 特定行為 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
救急領域パッケージ
特定行為区分 | 特定行為 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 | ・抗けいれん剤の臨時の投与 ・抗精神病薬の臨時の投与 ・抗不安薬の臨時の投与 |
外科系基本領域パッケージ
特定行為区分 | 特定行為 |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
創傷管理関連 | ・褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 ・創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
創部ドレーン管理関連 | ・創部ドレーンの抜去 |
動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ライン確保 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 ・脱水症状に対する輸液による補正 |
感染に係る薬剤投与関連 | ・感染徴候がある者に対する薬剤の臨時投与 |
術後疼痛管理関連 | ・硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
集中治療領域パッケージ
特定行為区分 | 特定行為 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | ・経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | ・侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・非侵襲的陽圧換気の設定の変更 ・人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 ・人工呼吸器からの離脱 |
循環器関連 | ・一時的ペースメーカの操作及び管理 ・一時的ペースメーカリードの抜去 ・経皮的心肺補助装置の操作及び管理 ・大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | ・中心静脈カテーテルの抜去 |
動脈血液ガス分析関連 | ・直接動脈穿刺法による採血 ・橈骨動脈ラインの確保 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | ・持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 ・持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 ・持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 ・持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 ・持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
私は認定看護師(B課程)でしたので、認定看護師としての勉強以外にも
共通科目+栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連(持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整・脱水症状に対する輸液による補正)を受講しました。。
特定行為に係る看護師の研修制度は、どんな流れで進んでいくのか?
特定行為研修が開始した際に、最初に始まるのがeラーニングの受講です。
私の教育機関では、S-QUE研究会「全日病SQUE看護師特定行為研修」に登録して受講しました。
私は少し甘くみていましたが…これはとても大きな難関でした。
eラーニングの内容に関しては、1時間(45分)+小テストが1つのセットとなっています。
これを、1カ月半程度で様々なジャンルの講義を105時間分受講しなければいけません。
それも私の場合、これまで通りの看護師としての仕事を並行しながらでした。
夜勤・日勤など仕事に追われていると、中々この短期間で終わらせることは至難の業ですし、仕事を終えて夜にeラーニングを受講していると、睡魔に襲われることもしばしば…
そのため、特定行為研修を受けることとなった場合には自施設に相談し、可能であれば勤務の調整をしてもらった方が、ある程度の身体的・精神的なゆとりがもてると思いますのでご検討ください。
また、先程のeラーニング以外にも、集合研修・臨地実習があります。
それぞれ私が合計で受講した時間数については以下となっています。
「特定行為に係る看護師の研修制度」の合計時間数
※「共通科目」+「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連(1区分・2行為)」の場合…
臨床病態生理学:30時間
臨床推論 :45時間
フィジカルアセスメント: 45時間
臨床薬理学: 45時間
疾病・臨床病態概論 :42時間
医療安全学 :45時間
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連:29時間
トータルの時間数(eラーニング+集合研修+臨地実習)は281時間でした。
また、共通科目では2回のテストがあり、その上1区分に1回テストがあります。
選択問題に解答し、合格点を獲得しなければ再試験を受けるという形です。
私の場合は1区分のみの受講でしたが、パッケージを受講する方でしたら大きく受講する時間数は増えます。
やはり、仕事をしながらは身体的・精神的にも負担が大きいため、働き方は考えた方が良いです。
様々な課題をクリアし、最後に行われるのが特定行為区分の臨地実習です!
基本的には自施設で実習を行うこととなります。
看護部長など上司に相談をして許可をいただき、実習施設として登録することにより、自施設で実習を行うことができました。
臨地実習では、 特定行為1区分に対して5症例の症例記録を記載し、指導者へ提出します。また、最終的に指導者による総合評価で合格点が得られることによって、特定行為研修が終了します。
自施設という慣れた環境で実習を受けることができたため、精神的に余計な緊張感が無く実習を終了することができました。
特定行為に係る看護師の研修制度は、どんな流れで進んでいくのか?についてのまとめ
- STEP1eラーニング
共通科目+区分科目を受けつつ、共通科目はテスト2回・区分科目ごとにテストを受ける
- STEP2集合研修
グループワーク・手順書を自身で作成して発表する
- STEP3臨地実習
基本的には自施設で、1区分ごと5症例の実践・記録を提出
全て合格することによって、研修が終了します!
では次に、特定行為研修修了後、どのように現場で実践できるのかについてご説明いたします。
特定行為研修終了後、どのように実践するのか?
簡単にご説明すると、特定行為は…
「医師が診察している患者を手順書に沿って、看護師が特定区分の行為を行える」です。
特定行為を実践する際は、手順書に沿って行われます。
その患者さんが本当に特定行為を実践する対象なのかを判断・対象であった場合に確認すべき項目・医師への連携方法などが記載されたフローチャートが「手順書」です。
手順書の内容については、以下の流れとなります。
- ①当該手順書に係る特定行為の対象となる患者
・対象になる一般的な状態
・対象となる必要条件 - ②看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲
・この程度の病状の患者さんなら、安全に特定行為を実践できるという条件
- ③診療の補助の内容
・特定行為の名前
※ここまで確認できて実践対象の患者と評価し、以下に進みます。
- ④特定行為を行うときに確認すべき事項
実践前・実践中・実践後に確認すべき項目(症状など)
- ⑤医療の安全を確保するために医師・歯科医師との連絡が必要となった場合の
連絡体制 - ⑥特定行為を行った後の医師・歯科医師に対する報告の方法
これらの手順に沿って実践することとなります。
また、看護師が勝手に手順書で判断して実践できるわけではありません。
特定行為は医師が診察、もしくは診察に相当するような情報を持ってなくては看護師が実践出来ません。
そのため、例えば初診の急患で、医師が関わっていなければ対象外となります。
このあたりは診療看護師との違いですね。
医師が診察していることを前提として、手順書に沿って適応する患者さんに実践するという流れになります。
以上が特定行為についての解説でした。
どのようなものなのか興味のある方の参考になれたら幸いです。
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